呪島~ノロイジマ~
それにしても……


ずっと見ているのだが、船にまったく動きがない。


いかんせん遠くて暗いので何が起きているのかすら分からないのだ。




(え?)


今一瞬船の明かりを何かがよぎった。



おそらく……



船の上の人が、海中に転落したような気がする。



なんとなく海面でバシャバシャと飛沫が上がっているようにも見える。



しかし……


結局分からないまま時間が過ぎていく。



敦也の身体を嫌な予感がよぎり、背筋にゾクッと寒気が走る。



敦也は急に怖くなって、急いで保養所へと引き返した。

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