呪島~ノロイジマ~
「どうしたの? 何で船が来ないの?」


帰ってきた敦也に向かって美絵が不安気に聞いた。




「分からない……たぶん……」


「たぶん何?」



「シゲさんの船を見つけてソッチに向かった」



「え?」


「それで……」



「それで?」



「たぶん……」


その先は言わなくても美絵には分かった。



「幽霊に?」



「たぶん……」


泣きそうに顔を歪め、呟くように聞いた美絵に、敦也は静かに答えた。
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