呪島~ノロイジマ~
「どうするの?」


「どうって……」



「私たちも殺されるのかな?」


「いや……」



ハッキリと否定したいのに否定しきれない。



「きっと助けが来てくれる」


「でも、今来た人たちもダメだったんでしょ?」



「ああ……でも、あの人たちが帰ってこなかったら、きっとその仲間が助けに来てくれるはずだろ?」


「それは……そうかもしれないけど……」



「大丈夫だよ。きっと来るから信じて待とう」


敦也は美絵の目を見つめ、むしろ自分に言い聞かせるように言った。



「そうだよね。うん、それしかないもんね……。でも……怖いよ」


美絵は泣きそうな声を出す。



「俺は怖くない」


「え?」


「一人じゃないから……美絵がいてくれるから」


敦也は自分を奮い立たせることで、美絵の恐怖心を払ってやりたかった。

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