呪島~ノロイジマ~
「そっちに行っちゃダメ!」


ふと奥に歩みかけた敦也に向かって彰子が叫ぶ。


「え?」


敦也は驚いて立ち止まった。



「その先は海になってるの」



そう言われれば、かすかな波の音と共に潮の香りがする。



「落ちたら上がれないわ」


「えっ」


彰子の言葉に敦也だけでなく、他の三人も息を飲んだ。



(あれ?)


彰子は違和感を感じた。


何だろう……この感じ……?


何か大事なことを思い出しかけて思い出せない感じ……。


彰子は急激な不安に襲われていた。

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