呪島~ノロイジマ~
懐中電灯がゆっくりと洞窟の中を照らしていく。


その動きが止まった。


そこにはまるで墓石のように大きめの石が置いてある。



彰子はその石のもとに近寄って行った。


「これは?」


美春が聞く。



「娘のお墓なの……」


彰子が呟くように言った。


「娘? 娘って……」





「ママ」


美春が眉をしかめて聞いたとき、彰子のすぐ隣で声がした。


全員がそこを見る。




あの女がいた。


「ママ……」


もう一度あの女が言う。


「ごめんねぇ」


彰子が突然泣き出した。

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