呪島~ノロイジマ~
「そのお葬式は島の人たちがしてくれたけど、私は行かなかった。

次は私が殺される番だと思って怖かったから……。

お兄ちゃんのお葬式のときに、その席で聞いたのよ……幽霊騒動と、相次ぐ不審死を……」



「彰ちゃん……」


「私はすぐにこの子だと思った。この子の幽霊が島の人たちに取り憑いてるって……」


彰子はうつろな目で、美春を見る。


「怖かったの……。本当に怖くて怖くて……。

私は決まっていた岡山市内の就職をやめて、一人で逃げたのよ……東京に」


「そうだったの……」


「島の人に押し付けて、一人だけ東京で幸せに暮らしてた……。

バチが当たったんだ……。早紀には何の罪もないのに……」


「彰ちゃん……供養してあげよう。明日お寺さんを呼んで、一緒に供養してあげましょう」


美春が彰子を抱きしめて言った。

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