呪島~ノロイジマ~
「ずっと一人で淋しかったよね。ごめんねぇ」


拭っても拭っても涙がこぼれる。


「ごめんね……美波」



「みなみ?」


娘の霊が不思議そうな顔をした。


「お兄ちゃんがつけたアナタの名前よ」



「わたしの……ナマエ?」


「そう……。美しい波と書いて美波。それがアナタの名前」



「あった……」


「え?」


「ワタシにもナマエがあった……。みなみ……ワタシのナマエ……みなみ」


娘の霊は嬉しそうな顔をした。



「これからは一緒にいるから……ママがずっといてあげるから、だからもう誰も……」


彰子は娘の霊の目を見つめる。


「ママ」


「いいわね? もう誰も傷つけないで……一緒に天国に行ってあげるから」


「ちょっと彰ちゃん!」


彰子の台詞に美春が慌てた。

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