呪島~ノロイジマ~
「この子……もしかして……」


美春が呟いた。


「知ってるの? 美春」


「昔……」


「え?」



「小学校に入ったか入る前だったかくらいのときに、神隠しってあったよね?」



「え?」


「ほとんど覚えてないけど、確か由里さんちの娘さんが幼い娘を連れて島に帰って来てて……」



「あっ……」


彰子の中に一人の少女の顔が浮かんだ。



まさに今、目の前に現れた少女の霊の顔である。




忘れていた過去。


記憶から消していた過去。


彰子の脳裏に物凄いスピードで映像が流れた。
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