呪島~ノロイジマ~
今度は由希子が鬼の番である。


十まで数えて「もういいかい?」と聞く。


ところが返事がない。


「もういいかい?」


もう一度聞くが返事は返ってこなかった。


仕方なく由希子は捜し始める。


由希子の目線で見ている今の彰子は、子供の頃の自分は何てズルいんだろうと腹がたった。


由希子は部屋中を探し回るが彰子はどこにもいない。


かなり長い時間捜し続けた。


そして……彰子の靴がないことに気がつき、自分も靴を履いて外に出る。

由希子は家の周りを回り始めた。


家の角を曲がると、山の斜面にポッカリ開いた洞窟がある。


由希子は恐る恐る中に入ってみた。

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