呪島~ノロイジマ~
「まだ帰っとらんのじゃって、今本土から警察が来とるみたい」


電話を切った母が言った。



「そうか……どこにいったんじゃろうね?」


「由里さんちじゃったら峠に近いから、沖神に来とったりせんじゃろうか?」



「どうかなぁ~、でも帰り道では見なんだけどね」



「ご飯食べたら少し捜しに行ってみちゃろうや?」



「でも、岡波と違ごぅてこっちは真っ暗じゃけぇ。仮におっても見つかるんかなぁ?」


竜太郎が首をひねる。



「いや、でも、耳が聞こえて喋れるんなら、声かけりゃ応えるんじゃねん?」


「そうじゃなぁ……」



「じゃあ飯を食ったらちょっと捜しに行っちゃろうや」


父親が口をはさんだ。

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