呪島~ノロイジマ~
彰子は怖くなって家に帰った。


どう考えても由希子があそこに落ちたとしか思えない。

ただ……満潮になってもあそこまで潮が上がることはないから、溺れるはずはないのだ。


ならば由希子はどこに行ったのか……?


あの爪あとから察するに、とても由希子が登れたとも思えない。


彰子は震えた。ガクガクと身体が震えた。


誰かに言ったら怒られる。


あそこには絶対に入るなと言われているのに入ったのがバレるから……。



でも私が入ったんじゃない。

由希ちゃんが勝手に入ったのだ。



でも……きっとそんな理由は通用しないだろう。


どうしよう……?


誰にも言えない。誰にも……。

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