呪島~ノロイジマ~
しばらくして両親と兄が帰ってきた。
「彰子、電話なかった?」
母の問いに彰子は小刻みに震えたまま頷いた。
「どうかしたの?」
「ぁ、うん」
「ん? 何?」
母が不思議そうに顔を覗き込んでくる。
「ううん。何でもない。何か怖くて」
彰子は慌てて目を逸らした。
「もう、バカじゃなぁ」
母は笑顔で抱きしめてくれた。
洞窟は外の海と繋がっている……。
由希子の遺体が見つかったのは三日後……。
場所は……。
潮溜まりとでもいうのだろうか、いつも流されたものはそこに漂着する。
それは茂行の船が座礁し、幸雄と光司が海に沈んだあの場所だった。
「彰子、電話なかった?」
母の問いに彰子は小刻みに震えたまま頷いた。
「どうかしたの?」
「ぁ、うん」
「ん? 何?」
母が不思議そうに顔を覗き込んでくる。
「ううん。何でもない。何か怖くて」
彰子は慌てて目を逸らした。
「もう、バカじゃなぁ」
母は笑顔で抱きしめてくれた。
洞窟は外の海と繋がっている……。
由希子の遺体が見つかったのは三日後……。
場所は……。
潮溜まりとでもいうのだろうか、いつも流されたものはそこに漂着する。
それは茂行の船が座礁し、幸雄と光司が海に沈んだあの場所だった。