呪島~ノロイジマ~
「オマエもずっと待てばいい。真っ暗な闇の中で、ずっと一人で……」


「ゆぎごぢゃ……」


「毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日ずっとずっとずっと待ってた。

真っ暗な中で一人でずっと……あの子が来るまでずっと」


由希子の視線の先には美波がいた。


「あの子が逝けば私はまた一人ぼっちだ。逝かせない!」



「わだじがいる……ずっとわだじがいるがら」


彰子は首を絞められて、意識がなくなりそうになる瞬間、

由希子に抱きついてそのまま窪みに向かって身体を投げる。






「彰ちゃん!」
「おばさん!」


とっさのことで一瞬呆気に取られていた美春と美絵が叫んだとき、






水しぶきが上がった。
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