呪島~ノロイジマ~
集落に向かって歩いていく。


まだ明るい時間だというのに、不思議と住民とは会わなかった。


過疎が進んでいるようではあるが、人が生活している気配は強く感じる。


しばらく歩いた所で、輝之が一軒の建物に近づいていった。


ガラスの引戸なので中が見える。


小さなスーパーとまではいかないが、それなりに物は揃っているようではあった。


輝之は商品陳列棚を物色してライターを見つけると、中の店主らしき老人のもとへと向かう。


「いらっしゃい」


老人は愛想笑いをした。

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