呪島~ノロイジマ~
「これください」


輝之はそう言ってライターを見せる。


「お客さんは釣りに来られたんかいの?」


老人は笑顔で聞いた。



「ええ、釣りっていうか、島の北側にエイキョー産業の保養所があるでしょ。アソコに泊まりに来たんですよ」


「えっ!? あそこに……」




「はい……どうかしました?」


老人が驚いたので、輝之は気になって聞き返した。
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