呪島~ノロイジマ~
「まだ終わってない……」


「え?」


早紀が呟くように言ったので、泰博は聞き取れずに聞き返した。



「まだ成仏してない」


「成仏って……?」



「どうしようお父さん?」


どうすると聞かれても、どうしたらいいのか皆目見当もつかない。



「どこかお寺に頼んで、供養してもらわないと」


早紀は泣きそうな顔で父に言った。


「分かった」


娘の真剣な眼差しに、泰博は承諾した。



とはいえ全く知らない土地である。


初めて知った妻の故郷。


そこには妻の実家の菩提寺があるのかもしれない。


泰博は東京に戻る前に島に渡る決意をした。

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