呪島~ノロイジマ~
「あ……ああ、いや、何でもないんじゃ、なんでも……」


老人は明らかに何かを隠そうとしている風である。


「ちょっと待ってくださいよ。気になるじゃないですか」


輝之は老人の目を見つめた。



「い……いや……本当に何でもないんじゃ」


老人は目をそらす。


「ちょっと、何なんですか!? 気になるじゃないですか。教えてくださいよ!」


輝之の声が大きくなったので、老人は目を丸くした。
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