呪島~ノロイジマ~
「さぁ~ねぇ~」


浩太はニヤニヤした。


「オマエ! バカっ!」


健太郎が綾のほうを見て、焦って言った。


「ちょ、何よ~」


綾はドキドキする。

今のリアクションって、もしかしてもしかするのかな?



「アヤリンは行くだろ?」


「え?」


「え? じゃねぇよ」


「行かない」


「ちょ! 何でだよー」


そこで綾はふと思った。


別に夜に行くわけじゃないだろうし、明るいうちなら大丈夫かもしれない。

それに幽霊を怖がるふりで、健太郎くんに密着出来るかも。


それいい!



「みんなで行くなら行ってもいいよ。でも暗くなったらイヤだよ」


「たぶん昼過ぎには終わるだろうから、その後すぐ行こう。なぁ、みんな行くだろ?」


「うん。いいよ」


一緒に会場に向かっている全員が承知した。


「ふ~ん。じゃあ、まぁ行ってもいいよ」


綾は素っ気なく言ったけど、心の中では健太郎くんと密着するチャンスを逃すものかと思っていた。

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