呪島~ノロイジマ~
見事最優秀賞に輝いたのだ。


これで瀬戸内芸術祭への参加が決定した。


健太郎くんと旅行。

綾のニヤニヤはいつまでも治まることはない。


表彰式が終わると片付けである。


作ったオブジェは、トラックに積み込まれ、顧問の教師とともに学校へと運ばれた。


この後全員で学校に帰って、美術倉庫に運ぶのを手伝わなければならないのだが……。


「じゃあ例のお化け屋敷に行ってみようぜ」


駅に向かおうと会場を出たところで、浩太が嬉しそうに言った。


「え~~~でも、学校に帰って作品を運ばないと」


「そんなに時間はかからないってば、ちゃんと調べてきてるから、すぐそこなんだってば」


綾がチラッと健太郎を見ると、目が合う。



――そうだ。怖がるふりをして、健太郎くんに甘えちゃおう。


「仕方ない。じゃあ行くわよ」


綾は浩太に向かって仕方なくを演じながら言った。

< 587 / 716 >

この作品をシェア

pagetop