呪島~ノロイジマ~
「霊はあいつに憑りついとったらしい。

葬式の晩。あいつのお袋さんが言うとったが、毎晩竜太郎は怯えとったそうじゃ」


老人は輝之の目を見る。


輝之は何も言えなかった。



「ところが竜太郎が死んでも、幽霊騒ぎは収まらんかった。

それどころかドンドン酷うなって、あそこらのモン全員がおかしゅうなった」


「………………」


「竜太郎が死んで一週間後に、なんとその両親が二人揃って死んでしもうた……。

さらにそれから一年もせん間に、次々と集落のもんが不思議な死に方をしてのぅ……

祟りじゃ言うて、集落のもん半分以上が島を出て行ったんじゃ」


老人はまた大きく息を吐いた。

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