呪島~ノロイジマ~
まずは右手のドアを開ける。


応接室とでもいうのだろうか、洒落た感じの装飾の部屋で、シャンデリアがぶら下がっていた。


それにしても、人がいなくなって久しい建物というのは、何とも気味の悪いものである。


応接室の中の引き戸を開けると、その奥にはリビングとダイニングを兼ねた部屋があった。


その奥がキッチンである。


周りを見回しても特に何もない。


リビングの掃き出し窓の外は、小さな庭だけれど、雑草が生い茂って風情の欠片もなかった。


浩太はそのまま廊下に出ると、奥の部屋へ入る。


洗面所で、その奥が浴室。


ここにも何もない。


「じゃあ二階に上がってみるか」


浩太の呼びかけで、一番後ろにいた綾が、その流れでそのまま先頭で二階に上がる。

一階を見た感じで、あまり怖くなかったから、綾は何も考えずに先頭で上がったのだった。

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