呪島~ノロイジマ~
「いつも賑やかに騒いでさぁ、近所の者はみんな迷惑してるんだよ」


「すみません」


「といっても、こんな真昼間から来るのは珍しいんだけどね」


「はぁ」


「まぁ、昼間なら少しくらい騒々しくたって構わないんだけど……。

ところでさっき悲鳴が聞こえたけど大丈夫だったのかね?」


「はい」


綾が小さな声で答えた。



「もしかして何か見たの?」


老人の問いに綾は頷く。



「やっぱ出たのか? なぁ高瀬、どんなのだった?」


気になって仕方のなかった浩太が、綾に向かって聞いた。



「女の子……」


「女の子?」


「うん。私たちと同世代か少し上くらいの子」


全員が綾の顔に注目する。



「身体中があちこちに折れ曲がってて苦しそうだった」


「何だって!」


老人が驚いて叫んだ。

< 595 / 716 >

この作品をシェア

pagetop