呪島~ノロイジマ~
「絶対に誰かに言ったり、インターネットに投稿したりしないでくれるかね?」


「もちろんです」


浩太が普段は絶対しないような真剣な目で見つめる。


「う〜〜〜〜ん。まぁ良いだろう。ここじゃあ何だから、ちょっとうちに来なさい」


老人はそう言うと、背を向けて歩き始めた。


オバケ屋敷から四軒ほど先の和風の家に着くと、中に招き入れられる。


正直八人が入るには狭いけれど、文句も言えないからみんなガマンした。


「ちょっと待っててくれ」


老人はそう言って奥の部屋へ入り、しばらくしてから手に卒業アルバムを持って現れた。


「さっきのあの家にはねぇ、わしの息子の同級生が住んでいたんだ」


「え?」


「遠藤さんっていう女の子が、ご両親と三人で暮らしてたんだ。あの事件が起こるまではね」



「あの事件……ですか?」
「あの事件って何ですか?」


浩太と健太郎が同時に口を開いた。



「大昔……瀬戸内海の島で一晩で大勢の人が殺された事件があってね」


「知ってますそれ!」

「あれでしょ? 生放送中に崩落事故が起きて、幽霊がカメラに映ったやつですよね?」


「ああ、それだよ。今でも心霊特集の番組のたびに放送されるから、君たちの歳でも知ってるよね」


老人が頷いた。

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