呪島~ノロイジマ~
「みんなで行きたかったね」


とぼとぼと帰る帰り道。


美穂が口を開く。


「ウチはイケるかも」


父が社長でお金持ちなうえに、娘に甘い茶和子は、お金を出してもらえる算段がある。


「マジか!」


速攻で浩太の目が輝いた。


「ただ……」


「ただ?」


「女の子が一人だとちょっとね」


「え~~~~~」


浩太がボヤく。



「ウチは無理だ」


綾はため息を吐いた。そうでなくても心配性のママである。


お金を出してまで、娘を送り出してくれるとは到底思えない。


美穂も涼子も和哉も、無理だとため息を吐いた。


方角的に途中で茶和子と健太郎と綾の三人になる。


「健太郎くんは行けるの?」


「たぶん頼めば出してくれると思う」


「そっか、いいなぁ」


綾は泣きそうだった。

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