呪島~ノロイジマ~
「ねぇママ」


「え?」


「そんなことよりさぁ」


「う、うん」



「最優秀賞だよ」


「え?」


「だからぁ~私たちが最優秀賞だったの」


綾が口を尖らせる。



「本当に!? 凄いじゃない」


「でしょう」


満面の笑みの娘を見て、早紀は自分のことのように嬉しくなった。



「でさぁ」


「うん」


「瀬戸内芸術祭なんだけど」


「え? 何それ?」


「最優秀賞と優秀賞の二校は、瀬戸内芸術祭に出展出来るんだって、前に言ったじゃん」



「そうだっけ?」


「そうだよ~」


綾はまた口を尖らせた。

< 606 / 716 >

この作品をシェア

pagetop