呪島~ノロイジマ~
「じゃあ観に行かなきゃね」


「本当に!?」


「うん」


「彫刻とか興味ないくせに」


「ぅっ……それは、まぁ、そうだけど……」


「ママったら正直なんだから」


綾は笑った。


「ねぇ綾、それってどこであるの?」



「場所?」


「うん」


早紀は一つ引っかかっていることがある。


それは『せとうち』という単語だった。

もう二度と岡山県には行きたくない。



「んとねぇ~私たちが展示するのは香川県の五色島っていう島らしいよ」


「あ、ふ~ん。そっか」


早紀はホッとした。





地理に疎い早紀は知らなかった。


五色島と、あの夜鳴島は、それぞれ香川県と岡山県であるが、船でわずか十分ほどの距離だということを……。

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