呪島~ノロイジマ~
「別に」
「別にって?」
(ヤバい。面倒くさいなぁもう……)
「だからね。チャコは夏休みに入ってすぐ、家族で旅行だって言ってたけど、
パパを説得して芸術祭の方に行けることになったっていう電話だよ」
綾は大好きなママに嘘をついて、少し胸が痛んだ。
「芸術祭っていつあるの?」
(ヤバい……。いつだったっけ?)
行けないと思っていたから、ハッキリした日時を覚えなかったのだ。
「夏休み期間だけど、いつからだったかは忘れちゃった」
綾は笑って誤魔化した。
「ふ~~ん」
「お盆だったら、パパと一緒に小旅行出来るのにね」
「うん。でも、作品の展示で行くんだから、夏休みに入ってすぐだよ」
「そっか」
ママは残念そうな顔をするが、両親なんか着いて来たら、健太郎くんと親密になるチャンスが激減する。
ママは心配性だから、本気で着いてきかねない。
何とか阻止しなければ……。
綾は心を鬼にして、大好きなママを丸め込もうとした。
全ては大好きな健太郎くんと、一歩先に進むために……。
「別にって?」
(ヤバい。面倒くさいなぁもう……)
「だからね。チャコは夏休みに入ってすぐ、家族で旅行だって言ってたけど、
パパを説得して芸術祭の方に行けることになったっていう電話だよ」
綾は大好きなママに嘘をついて、少し胸が痛んだ。
「芸術祭っていつあるの?」
(ヤバい……。いつだったっけ?)
行けないと思っていたから、ハッキリした日時を覚えなかったのだ。
「夏休み期間だけど、いつからだったかは忘れちゃった」
綾は笑って誤魔化した。
「ふ~~ん」
「お盆だったら、パパと一緒に小旅行出来るのにね」
「うん。でも、作品の展示で行くんだから、夏休みに入ってすぐだよ」
「そっか」
ママは残念そうな顔をするが、両親なんか着いて来たら、健太郎くんと親密になるチャンスが激減する。
ママは心配性だから、本気で着いてきかねない。
何とか阻止しなければ……。
綾は心を鬼にして、大好きなママを丸め込もうとした。
全ては大好きな健太郎くんと、一歩先に進むために……。