呪島~ノロイジマ~
夏休みに入ってすぐに、出発することになった。


作品はすでにトラックで送っているから、後は身体だけである。


さすがに飛行機は無理でも、新幹線くらいはと思っていたのに、

なんと顧問の有吉が、自家用車を運転して連れて行ってくれることになったのだ。


ファミリーカーに五人。


ちょっぴり窮屈な状態で、九時間も乗っていなければならないらしい。


ハッキリ言って苦痛。


ただ……助手席に浩太で、後ろにチャコと私と健太郎くん。


健太郎くんと超密着。


綾のニヤニヤが治まることはなかった。


途中休憩を入れながら、先生はかなり頑張ってぶっ飛ばしてくれたらしい。

七時に出発して、途中二回も休憩を入れたのに、三時には目的地の港に着いた。


地理が苦手な綾は知らなかったのだけど、香川県の島と聞いていたのに、着いたのは岡山県の港。


ここからフェリーで五色島に行けるらしい。


車に乗ったままで船に乗れるなんて……。


綾は初めての経験に興奮していた。

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