呪島~ノロイジマ~
「綺麗だねぇ」


フェリーの展望台で茶和子が目を輝かせる。


四人とも船に乗った経験がないから、潮風を満喫して大満足だった。


「見て! カモメがついてきてる!」


「本当だ!」


茶和子が叫んで、浩太も目を輝かせる。


いつのまにか、二組のカップルが出来上がっていた。


もちろんどちらも告白はしていないから、まだフリーの状態である。


「ねぇ健太郎くん」


「え?」


「あの二人良い感じだね」


綾が浩太と茶和子のほうを見ながら呟いた。


「うん。アイツ……」


「え?」


「内緒だけど浩太のヤツ、チャコのこと好きだからな」


「えっ、そうなの?」


「うん」


「じつはねぇ、チャコも浩太のこと好きみたいだよ」


「えっ、マジで?」


「うん」


綾は頷いた。
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