呪島~ノロイジマ~
「健太郎くんは?」


「え?」


「好きな子いないの?」


「そ……それは……」


「それは?」



「い、いないよ」


健太郎は言いかけてやめた。


「なぁ~んだいないのか」


「え?」


綾が健太郎の目を見つめる。



健太郎はドキドキした。


「オマエはいるの?」


健太郎に聞かれて、綾は迷った。今のリアクションといい、絶対に健太郎くんは自分に気があると思っている。


いつも結構二人きりになるし、あの日だって自然と手を繋いだし……。


綾は勇気を出して告白しようと思った。

ただ、万が一ダメだったとき、この三日間が死ぬほど気まずくなる。


「いるよ」


でも綾は、思い切って仕掛けることにした。

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