呪島~ノロイジマ~
「こんにちは」
「こんにちは、お邪魔します」


中に向かって声をかける。


「よう来んちゃったね」


中から愛想の良いオバサンが現れた。


「ちょっと待ってね」


オバサンはそう言うと電話を取り出して電話をかける。


「もしもし村越さん。大山です。東京の中学校のみなさん。今うっとこ(ウチニ)来んちゃったけぇ。はい。はい。お願いします」


それだけ言うと、オバサンは電話を切った。


「じゃあお部屋に案内しますねぇ」


笑顔で案内してくれるので、みんなそれに着いて行く。


「遠かったでしょ?」


部屋に入るなりオバサンが笑顔で聞いた。



「ええ、まぁ、それよりですねぇ、うちの学校の彫刻なんですけど」


「ああ、それやったらはるみの丘ってとこにあります」


「はるみの丘?」


「ええ、島の一番高台になっとるとこです。皆さんが来んちゃったら電話するように、役場の村越さんに言われとるんで、さっき電話しましたから」


「じゃあその方が案内してくれるんですか?」


「ええ、うちはそう聞いとります」


オバサンは笑顔で答えた。

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