呪島~ノロイジマ~
急に薄暗くなった。



「何で?」


窓の外を見ると、いつの間にか今にも雨の降りそうな天気。



「まずいな……」


有吉が呟いた。


村越の父親の船には、確か屋根がついていなかったはずである。


雨が降り始めたら、旅館に帰るまでびしょ濡れだ。


そう思っていると、突然バケツをひっくり返したような大雨が降り始めた。



「うわぁ雨だ」
「マジかよ」


浩太が港側の景色を見て呟いた瞬間。




目の前が稲光で真っ白になった。




『ドォオオオオオオオオオオンガラガラガラガラ』



かなり後から遅れて轟音が轟く。



「きゃぁああああああああ」
「いやぁああああああああ」


綾と茶和子は同時に悲鳴をあげた。

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