呪島~ノロイジマ~
ゆっくりと自分の身体を這い上がってくる女。



怖い怖い怖い怖い……。


叫んで助けを呼びたいのに、声が出ない。



例え出たとしても、激しい雨音で聞こえないかも知れないけれど……。


もうお腹の上まで来ている。



助けて助けて助けて助けてぇーーーーーー。


心で叫ぶのに、身体は意に反してまったく動くことが出来ない。



浩太ぁーーーー。綾ぁーーーー。



「なぜ連れて来た……」


目の前まで来た青白い顔の女が口を開く。



(なぜ? なぜって言われても……)



「静かに眠っていたのに……なぜ連れて来た?」



怒りに震える目で茶和子を見つめて来る。


「知らない。私じゃない」


まったく意味も分からないまま、ようやく茶和子の口から言葉が発せられた。

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