呪島~ノロイジマ~
「なぜ……」



「知らない。私じゃない。お願い助けて」



「なぜ……」



「違う。私じゃない。私は誰も連れてきてなんかない」



「ならなぜアイツが島にいる?」



ものすごい形相で睨んでくる女。


大きな白目の中の、光のない小さな黒目が茶和子を見つめる。



「だずげでぐだざい〜〜〜本当に知らないんです〜〜」



涙が溢れてきた。


怖くて怖くて身体中がガクガク震える。



「よくも、よくもぉ〜〜〜」



女が顔を近づけて来た瞬間、茶和子は恐怖で目をつぶった。



怖い怖い怖い怖い怖い……。





何秒たったのだろう? 何も起こらない。






茶和子は恐る恐る目を開けてみた。




そこに、










天井が見える。そのままで目だけキョロキョロと動かして周りを確認するが、幽霊の姿はない。


茶和子はゆっくりと身体を起こした。

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