呪島~ノロイジマ~
薄暗い部屋の中。


急に雨音が大きくなったような気がした。


というか現実に戻ったように……。



今のはいったい……。



まだ心臓がドキドキして、身体中がガクガクと震えている。



そこで茶和子は気がついた。


恐怖の余り失禁していたのだ。



どうしよう……?


茶和子のショートパンツがお尻まで濡れて染みになっている。


みんなにバレたら恥ずかしい。


この時の茶和子は、怖いから早くみんなの所に行きたい気持ちよりも、

どうやったらオシッコを漏らして濡れてしまっているズボンの染みを誤魔化せるかの方に気持ちが行っていた。


どうしよう……?

たぶんみんなは雨の中外に出ているに違いない。


そうだ! ならば自分も全身ずぶ濡れになれば良いのだ。


つまり『木の葉を隠すなら森に』ってことである。


茶和子はすぐにみんなの後を追おうと、まだ震えが治まりきっていない身体を起こした。

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