呪島~ノロイジマ~
「嘘よ……嘘……何で!」



パソコンのディスプレイに向かって思わず叫んでいた。



同じ画面に、早紀が最も見たくない文字があったからである。




『夜鳴島』




五万分の一の縮尺で、たったの2cm……


いや、2cmもないであろう場所に……


娘が行く島の僅か2cm先に夜鳴島があったのだ。


県境はどうやらこの海峡なのだろう。


五色島は確かに香川県であるけれど、位置的には香川県よりも岡山県に近く、



そして……


綾は今……


早紀の身体にガクガクと震えが来た。

< 653 / 716 >

この作品をシェア

pagetop