呪島~ノロイジマ~
呼び出し音の後で相手が出る。
『はい。わかさ旅館です』
「あ、あの、東京の創英中学の高瀬綾はいますか?」
『えっ? ああ……今はお出かけになっておりますが……』
「お出かけってどこに?」
『ああ、それがですねぇ〜展示物の飾りつけは明日するらしくって、今日はメイン会場の夜鳴島の美術館に……』
――夜鳴島の美術館……。
そこで早紀の思考は止まり、その単語以降の相手の言葉は、まったく頭に入らなかった。
「なんで……」
『はい?』
「何で……行ったのよ……」
『いえ、何でと言われましても……今説明した通り、装飾は明日にするということでしたから、
役場の村越さんが美術館を見に行ったらどうかって勧めてですねぇ〜』
まだ相手が話しているというのに、早紀は電話を切ると駆け足でタクシー乗り場に向かい、タクシーに飛び乗った。
『はい。わかさ旅館です』
「あ、あの、東京の創英中学の高瀬綾はいますか?」
『えっ? ああ……今はお出かけになっておりますが……』
「お出かけってどこに?」
『ああ、それがですねぇ〜展示物の飾りつけは明日するらしくって、今日はメイン会場の夜鳴島の美術館に……』
――夜鳴島の美術館……。
そこで早紀の思考は止まり、その単語以降の相手の言葉は、まったく頭に入らなかった。
「なんで……」
『はい?』
「何で……行ったのよ……」
『いえ、何でと言われましても……今説明した通り、装飾は明日にするということでしたから、
役場の村越さんが美術館を見に行ったらどうかって勧めてですねぇ〜』
まだ相手が話しているというのに、早紀は電話を切ると駆け足でタクシー乗り場に向かい、タクシーに飛び乗った。