呪島~ノロイジマ~
「クスクスクスクスクスクス」


青白い顔の女の子が笑っている。




顔は笑っているけど、目はまったく笑っていなかった。


「ひ、ひぃいいいいいい」



由加里は尻餅をつきながら、その手を振り払おうとする。



「クスクスクスクスクス」


机の下から女の子が、ズリズリと這いずりながら由加里の身体によじ上ってきた。



「イヤ、イヤぁ、イヤぁああ」



「クスクスクスクスクスクス」


「イヤ、イヤ、イヤぁあ」


由加里は震えながら首を横に振る。



そしてついに、口元だけが笑った光のない黒目の、青白い顔の少女が、目の前に顔を……。



「許して、お願い……。助けてぇええええ」


「アナタも仲間に入れてあげるね」


「んぐぅう……」


次の瞬間、由加里は息が苦しくなった。



「ぐ、ぐるじぃ……」



首をしめてくる女の子の手をどけようと、由加里は必死で抵抗をする。




ところが……まだ幼い少女のはずなのに、思いの外力が強くて、一向に振りほどくことが出来ない。

由加里は少女の手を引きはがそうと必死にもがいた。


締め付けてくる少女の指に力が増す。



やがて由加里は動かなくなってしまった……。

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