呪島～ﾉﾛｲｼﾞﾏ～

突然何もない岩肌だった場所が、まるでドアがあったかのように開く。





「きゃあ！」
「うわぁああああ」


綾と健太郎は恐怖で叫び、早紀は息を飲んで固まってしまった。


開いた扉の奥から、次々と青白い身体の霊が飛び出して来たのだ。



早紀の記憶が甦る。


あの日、あの時……



共に同じときを過ごした仲間たち……。



「ヒトミン、由梨、健介くん……」


早紀は懐かしい名前を呟いた。







青白い身体の由梨が、瞳が、健介が、他にも無数の霊たちが、

健太郎の足首を掴んでいる手を一斉に掴み、その霊を穴の中に引きづり込んで来る。





「キサマらぁあああああああ」


健太郎の足首を掴んでいた、青白い女の子が叫んだ。