呪島~ノロイジマ~
「そうか……。なら良かった。それだけが心配だったんだ」



「祐次……」



あれから何年経ったのだろう……?


生まれて初めて好きになった男性。


生まれて初めて出来た彼氏。


そして大切な処女をあげたヒト。


あんなにも大好きだった……。


本当に、本当に大好きだった。


今も変わらぬ優しい笑顔。


最後まで、私のことを助けてくれた。




「これでやっと静かに眠れる。今度こそ永遠に……」


「え?」



早紀は止めどなく零れ落ちる涙を拭った。

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