呪島~ノロイジマ~
「あの崩落の後……大々的な慰霊祭で俺たちは眠りについた」


早紀の脳裏にあの頃の記憶が甦る。


ずっと封印していた過去。



「だけどアイツはあのとき島にいなかった」


「アイツ?」


「さっきのアノ悪霊」



「由希子ちゃんのこと?」


「ユキコって言うのか……アイツが全ての元凶……。アイツはおそらく金森さんとザッキーに憑いてこの島を出ていたんだろう」



「そう……」


「それが今日突然、俺たちを眠りから叩き起こした」


優しい祐次の顔が厳しくなり、早紀は思わず言葉を飲む。


「みんな釣られてここから出て……その瞬間おかしくなった。アイツに支配されたんだろう。だから俺たちは行かなかった」


「みんな?」


「ああ……由梨っぺや、健介……。オマエの両親もここに残った」



「お母さんとお父さんも」


懐かしい両親の顔が浮かんだ。

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