呪島~ノロイジマ~
健太郎は恐る恐る穴の中から外に出ると、ゾンビ化した島民たちが近づいてきていた方を見る。



――いた! 大勢の島民たち。




ただ……様子が違う。


どうみても普通の人間で、しかもみんな不思議そうにキョロキョロと辺りを見回している。



健太郎は思い切って島民の方に向かった。



「何でワシらこんなとこにおるんじゃ?」


「わけ分からん。何でじゃろうのぉ?」


みんな呆然として、首をかしげている。



「あのぉ~~~」


「ん? 何じゃオマエ?」


話しかけた健太郎に漁師風の男が聞いてきた。



「覚えてないんですか?」


「覚えて……? 何をじゃ?」


「さっき僕らを襲って来たことを……」



「はぁ? 何じゃそれ? 変なこと言うなや」


男は眉をしかめた。

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