呪島~ノロイジマ~
「ちょ、やだ! 何言ってんのよ」


美絵が慌てて横を向く。


その視線の先には、片想いの相手、山崎敦也が友人と笑顔で談笑していた。



「チャンスだってば! 絶対チャンスだよ美絵。

山崎くんってさぁ、別に祐次くんや、健介とも結構仲良いし、

二人に誘ってもらえば来るって言う可能性大だよ」


由梨がニヤニヤしながら言った。



「そ……そうかな」


「だってもう後二週間で卒業だよ。そしたら一生会えなくなるかもしれないんだよ?

このまま何もしないままだったら、絶対後悔するから」



「それは……そうだけど」


「じゃあさぁ、健介に頼んでみるよ。

絶対祐次くんだって、健介だって、私たちが誘えば一緒に来たいっていうに決まってるんだから、山崎くんも一緒なら……って条件をつければ、絶対上手く話しをつけてくれるってば」


由梨が嬉しそうに言った。




そして、由梨のこの作戦は、見事に成功するのだった。

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