呪島~ノロイジマ~
しばらくは登りが続く。


山道を登りながら、輝之は先ほどの老人の話を思い出していた。


山を下った一番麓にある家の中から見つめる少女の霊。


想像するだけで震えが来る。


毎年のように保養所を利用しているので、すぐ裏手に廃墟があるのも知っている。


おそらくあの家なのだろうという目星はついているが、一度として幽霊など見たこともないし、半信半疑なのが正直なところだった。

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