呪島~ノロイジマ~
「テルさぁあ~~~~~ん」


早紀の声が聞こえる。


「早紀ちゃん!」


「大丈夫ですかー?」


「ああ大丈夫だ。でもロープがないと上がれそうにない。

悪いんだけど、保養所に行ったらロープがあるから、それを持ってきてくれないか」



「はい」


「あと、みんなを連れてきてくれ! 一人じゃ上がれそうにないんだ」



「はい。分かりました。道は……このまま下ればいいんですよね?」


「ああ、一本道だから!」


「分かりました。すぐに行ってきます。待っててください」


早紀はそう言うと、急いで坂道を下り始めた。

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