海と空の繋がり


「海と藤沢くんはうまくいってる?」

『うん、まあ。もしかして、小宮山くんとケンカでもした?』

「なんかさ、陽太の考えてる事がわからない。」


麻美は悲しそうな、寂しそうな、そんな顔をしていた。


「陽太の実家って、会社を経営してるんだって。」

『そうなんだ。じゃあ、小宮山くんは跡継ぎなの?』

「うん。でも親の敷いたレールを歩きたくなくて、今の会社に就職したの。なのに、お見合いが決まったらしい。」

『お見合い?』


驚いて少し大きな声を出してしまった。


けれど、ここは居酒屋。


多少大きな声を出したって周りの騒がしさに掻き消される。
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