そして僕は恋を知る
体育祭の時期。
あたしは君からメールで、思いもよらぬ事を聞いた。
内容は、あたしの親友のあの子と2人で公園で逢っていた、というもの。
あたしはすぐに、なんで?って思ったよ。
普通男女2人きりで、公園で逢うなんて、付き合ってる以外有り得ないって思ったから。
でも2人が付き合ってるなんて話なんて聞いたことがなかった。
ずっとなんでって思ってたよ。
でも周りから2人は付き合ってるって聞いて、その事実を知った。
色んな感情がぐちゃぐちゃになった。
なんで親友なのに付き合ってること言わなかったの、とか
なんであたしが好きなの知ってるのに付き合うの、とか思ったりした。
それはあたしの自分勝手な思いにしかすぎないのだけど。
でも本当に好きだったから、心の中であの子を恨んだりもした。
でもどうすることもできなかった。
告白をしたのはあの子からだったけど、君もあの子を好きだって言ってたから。
親友は相変わらず君とのことを話そうとはしなかった。
でも君はあたしに沢山のろけてたよね?
あたしは相談にも沢山のった。
でも内心、別れちゃえばいいのにって、酷いこと思ってたりもした。
君は付き合うようになってから、あの子のことを下の名前で呼ぶようになったよね?
女子を絶対に下の名前で呼ばない君が。
あの子がすごくうらやましかった。
だからあたしは小さなカケにでた。
メールをしているとき、名前の話にもちこんだ。
やりとりを繰り返しているとき、あたしはさりげなく、名字より名前で呼ばれる方がいいよね、と送った。
返事を待つのが少しこわかった。
君はパソコンだから返信がものすごくはやかった。
すぐに返信がきた。
おそるおそる見ると、じゃあ下の名前で呼ぼうか?と書かれていた。
考えるよりも、指が先に動いた。
その日からあたしは、君が下の名前で呼ぶ女子の、2人のうちの1人になった。
それだけのことで、すごく幸せだった。
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