そして僕は恋を知る


先生に問い詰められても嘘をつきとおした。

でもその日の夜親にバレてしまった。

翌日あたしたち3人は先生に呼び出された。

沢山怒られた。

一番怒られたのはあたしだった。

嘘ついたからだって。

でも別によかった。

だってあたしたち3人の中で誰かが悪いってわけじゃない。

誰も悪くない。

それなら最初に嘘をついたあたしが一番怒られるのが当たり前だ。

でも酷いこと、先生に沢山言われた。

先生は君とあの子に「こいつは嘘つきだから、お前らもこいつと付き合わない方がいいぞ。お前らにもどうせ嘘つくから」と。

ねえ、先生。

それはいくらなんでも酷いよね?

そんなこと言われてさ、許せる人なんているのかな?

少なくともあたしは許せなかったよ。

その言葉は、あたしの全てを否定されたように思えたよ。

あたしね酷い家庭環境を知ってるうえで、そんなこと言ったんだよね?

そういう言葉で、あたしに深く突き刺さることを知っていて言ったんだよね?

ねえ、先生。

やっぱりあたしは今でもあなたのことを許せません。

でも君はそのあとも、かばってくれたよね。

気にしてくれたよね。

君は何も悪くないのに謝ってきたよね。

あの子も謝ってきた。

変なの、2人とも悪くないのに。

こんなことで変に気まずくなったりしたら嫌だから、あたしは気にしないでって言った。

普通に仲良しでいたいから。

でもやっぱり中学生の恋愛なんて永遠なんかじゃないんだね。


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