そして僕は恋を知る


あの2人は別れた。

あんなに仲良かったのに。

別れた。

でもあたしには、やっと訪れたチャンスだった。

このときを有効に使うしか、あたしにはもう望みがない気がした。

なのに。

そんなときに。

先生はあたしの家庭をめちゃくちゃにして、逃げた。

どんどんボロボロになっていたのに。

それまでは何かと家庭のことに首を突っ込んできたのに。

取り返しがつかなくなった途端、あたしの家庭に関わらないようにしてきた。

壊すだけ壊して、逃げた。

根性焼きなんて、ただの自傷行為でしょう?

何がいけないの?

親に言ってどうなるの?

それで何がしたいの?

あたしを壊したいの?

そんなこと、逆効果なのにね。

あたしは逆上して余計やるだけなのにね。

あたしの親は今あたしをほったらかしてるよ。

あたしのことなんてどうだっていいんだよ。

無知な先生は、何でも親に言うんだね。

でも不幸ばかりじゃなかった。

こんな状況だって、不幸ばっかりじゃなかった。

不幸なあたしに、神様は幸せをくれた。

あたしは用があって1人で出かけようとしていた。

でもやっぱり1人はつまらないだろうなあ、と思いながら、支度をしていた。

そのときもずっと君とメールをしていたおかげで、このことが実現したんだよね。


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