夢のまた夢【短編集】
ある時、小さな赤ん坊を抱いた
女の人がやって来て
赤ん坊を抱いてやってと言う。

どこのどなたか存じませんが
大切な赤ちゃんに何かあっては
いけませんので、抱くことは出来ません
と、言うと
女の人は悲しげな顔をして
ばあちゃん、忘れた?
孫のアヤだよ。
この子はばあちゃんのひ孫じゃない。
抱いてやってよ……

変な女がやってきたもんだと
とにかく、引き取って貰った。

上手いことを言い、
年寄りから金でも取ろうと言う
魂胆なのだろう。


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